野幌南蛮かすていら

高校の同級生がパセオ店のケーキの一切をやってくれている。同級生とは言っても高校時代は一度も言葉を交わしたことがない。ある日、友人が持ってきた手土産のマカロンを食べてびっくりした。数日後、ショップカードに書いてあるお店に行った。それが始まり。

ガトー・ド・ノポロ、江別の名店だ。

まだペアリングという言葉に馴染みがない頃(2011年の春の終わり頃)、コーヒーの愉しみ方を提案しようと様々なケーキを食べ歩き、詳しい方々のアドバイスや情報を仕入れるもうまくいかず。。。困り果てた頃、目の前に表れたのが手土産でもらった彼のマカロン。2秒でこれ作った人やばい人に違いない、と思った。

お店到着し挨拶をすると、、、、「よ、横井でしょ?」と、、、。向こうは知っていた。(笑)高校時代やんちゃだったので。色々と食べさせてくれたがいくらでも食べれるのに驚いた。ある日、すんごいタルトタタンをいただいた。リンゴの部分も凄いんだけど、タルト生地が凄くて驚いた。あ、これ、エルサル・デ・サルセロと一緒に愉しんだらやばそうだ。(笑)そう思って、マダムにも彼にも聞いた。「タルトタタンには何が合うんだろうね。。。」マダム曰く「え?紅茶でしょう。。。」と。。。必死にコスタリカのあの産地の酸がこの佐藤さんとこのリンゴにぴったりなんだけどな。。。と言ってお店を後にした。どうしても体験してほしくてコーヒーを送ったっけな。その後、電話があった。「ほんとよく合うね。。。」うれしかった。

そしてやっとの思いで15周年の記念のケーキを焼いてもらい、味あわせに向かったそのとき。目前にあったのは地味で具のないパウンドケーキ。(笑)そのとき、心の中でつぶやいた。「これは違うよな、、、と3回唱えた」でも彼はニコニコしながら、それをカットして私の目の前に差し出してくれた。いくつか合わせたいコーヒーを持って行ったが、ボリビアのコーヒーがプロバンスの百花密を使ったパウンドケーキにぴったし。(ノートを調べるとイルパナというマイクロロットだった)50過ぎたばかりのおじさん二人がコーヒー片手に見つめ合ったのが、百花密のパウンドケーキとボリビアコーヒーだった、、、というお話。以来、彼もコーヒーを意識してくれるようになりおすすめのケーキも徐々に変わっていった。その彼こそ、パセオのお店のケーキになくてはならないのが梶原さんなのである。

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野幌南蛮かすていら

パセオの3周年に向けた梶原さんの力作と横井の珈琲の第1弾のセットがこれ。尽きせぬ感謝と共にお届けしたい。